アジア自転車競技選手権大会ロードレース観戦紀行・その2

1月21日の夜に出発して伊豆大島に行ってきました。久しぶりのひとり旅だったのでいろいろと記憶に残るものも多かったので何回かに分けて書き留めておこうと思います。

 

その1からの続き)

1月22日、早朝。

大型客船を下船して持参した自転車を組み立てて元町港へ。昨年のリハーサル大会できたときに激しく寒かった記憶があったけど、暖冬の影響なのかそれほどでもない。

岡田港から元町港へ抜けるにはいきなり平均10%近い坂を登ることになる。ピークの郵便局のある場所まで途中少し緩やかにはなるけれど、港からの1.4kmの勾配は平均7%程度はある。寝起きではあるけれど気持ちに任せて登っていく。

一度登ってしまえば、途中ゆるやかな登り返しがあるだけでほぼ下り基調で元町港までたどりつける。

途中からコースの一部になっていていたるところに案内があり、メイン会場の大島支庁の前にはすでに表彰台の準備もできていて現地に来たことを実感する。

 

まだ朝早いのでいったん港まで下りきって、すぐそばの「おともだち」というお店へ。ここは朝6:00から営業しているので昨年も立ち寄ったところ。朝定食の中から焼き魚定食を注文してまずは腹ごしらえ。

マスターにいろいろと昨日までのタイムトライアルの模様について聞かせていただく。現地でも交通規制以外の情報がないようで、誰が走っているのかわからないという。島内で配布されているフライヤーを取り出し、

「この人は走っていたけどねえ。」

と、萩原選手の写真を指差してくれる。嬉しくなってつい無駄にしゃべってしまう。

 

元町港の待合室のコインロッカーにカメラ以外の荷物を預けて、ちょっと早いけど再びメイン会場のほうへ。

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お手製の応援バナー。

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電柱には距離表示の他、選手がボトルやゴミなどを「置ける(レギュレーションに従ってそう表現するけれど)」グリーンゾーンの表示やフィードゾーンの表示が出ていたり。

平日の金曜日の朝なので、通勤の車や通学の小中高生が日常として通り過ぎるのを眺めながら時間をつぶす。全ては見れないけれど、交通規制をして行われるレースの準備の様子に少しだけお祭りのような雰囲気を感じながら通り過ぎている。

 

きょうはIDカードもないただの観客である。あくまでも観客の目線でしか見れないけれど、それ故の気楽さみたいなものもある。気楽さの継続のためにはID規制されたエリアの中のことを気にしないでおくのが一番だと思う(そして無駄に近づかないことも)。

 

設営も終わり、最初のレースは女子ジュニア。

何故わざわざ有給休暇を取得してまで金曜日から来たのかというと、ジュニアのレースを一度観戦しておきたかったから。将来の輝きのきっかけがきっとあるに違いないと思ったから。

コースは1周11.9kmで、71.4kmなので6周回。

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定刻にスタート。

スタートしてすぐに右折して車一台がやっとの細い登りへと入るので、そこのわずかなスペースで最初は見ることにした。1周目が終わって選手が来るアナウンスが遠くに聞こえる。

規制予告の先導車に続いてキャラバンの隊列が続く。レースディレクターカーやモト・コミセール、ニュートラルサービスが過ぎて最初に現れたのは台湾の選手ともうひとりは日本ナショナルチームジャージ。

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現地でもインターネット上の大会サイトで配布されているコミニュケ以外には誰が出走しているのかはわからないけれど。どうやらChang Ting Ting選手と下山美寿々選手の模様。

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続いてタイのChaniporn Batriya選手とウズベキスタンのOlga Jantuganova選手が追う。

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そして香港チームを中心に集団には細谷夢菜選手。

この時はまだ下山選手の力を知らなかったので「いきなりのアタックはどうだろう」と思いながら、キャラバンが全て通過したのを見計らって、海沿いのパームラインまで自転車で移動する。裏道をつかえば御神火温泉の脇まで出られる。

2周目の終わりに間に合った。問題なく先頭は二人でローテーションをしている。後続は一度捕まったのか、タイの選手と香港の選手の二人になり、その後ろが集団。

3周目はパームラインのピークのあたりへ移動して見ていたけれど、下山選手のほうが引いている雰囲気。続く4周目は元町港の手前まで戻って見ていたけれど、下山選手のほうが前へ出たがっている雰囲気すら感じる。頼もしい。

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そこまで見終わったところで、残り周回数も少ないので5周目はフィードゾーンを過ぎたフィニッシュライン200m手前まで戻って見たけれど、ここでも余裕が感じられる。そして集団とのタイム差を大きく広げている。

Chang選手は女子ジュニア個人タイムトライアルで優勝しているのでかなりの脚力はあるはず。

そしてフィニッシュラインへ再び戻り再度の勝負を見届ける。途中で大きくばらけることなく最後はスプリント勝負だったけど、下山選手が先着して優勝。集団とは6分以上も開けてきた。

そして逃げていた二名を吸収して集団もスプリント勝負だったけど、こちらも細谷選手が脚力を生かして3位。

そして表彰式へ。

表彰のアジアチャンピオンジャージに勝者が袖を通す瞬間を目の前で見れたことも素晴らしかったけれど、国旗掲揚君が代が流れると、ああこれが国際大会なんだな、と実感する。

これだけれでも来てよかったと思う。

 

もうお昼近い。

すぐに今度は男子ジュニアのレースが始まろうとしているのだけれど、飲食のブースが何もなく食事に困ってしまった。次のレースも全て追いたいので空腹を我慢してスタートの様子を撮影するために移動する。

その3へ続く)