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アジア自転車競技選手権大会トラック競技観戦紀行

アジア自転車競技選手権大会、ロードレースの翌週はトラック競技。さすがに平日の休暇の取得はもう無理なので、せめて土曜日だけでも、ということで修善寺日本サイクルスポーツセンターに行ってきました。

前回のロードレース観戦紀行の続編的になりますがお読みいただければ幸いです。

 

1月30日。

今回の旅は品川駅4時35分始発の東海道線の鈍行でスタート。

開場時間に間に合うようにたどり着くには、この列車に乗るか前日に現地に宿泊するしかない。さすがに毎週宿泊は無理なので列車の旅を選択。

ほぼ全部を居眠りで過ごしたので体感乗車時間はほんのわずかのように感じる。そして熱海駅で最初の乗り換え。熱海以西はSuicaが使えないので一度改札を出て切符を買い直す。

そして三島駅伊豆箱根鉄道に乗り換え、こちらも居眠りしていたのであっという間に修善寺駅に到着。駅構内に今回のアジア選手権のバナーや駅前にものぼりが立っていて盛り上がってくる。

駅から日本サイクルスポーツセンターまでこの大会のために運行されるシャトルバスもあるのだけれど、開演前にたどり着きたかったのでタクシーを拾う。タクシーの運転手とアジア選手権についてあれこれと世間話をする。

 

到着。無事に一番乗り。

車で観戦に来られている方もいるようだけれど、寒いので車内で待機しているようだ。ずっと冷たい雨が降っている。標高400メートルぐらいあるのでかなり寒いがなるべくよい場所で観たいので外で待つ。

シャトルバスも到着して徐々に列が出来てきた。まだしばらく時間があるけれど静岡県自転車競技連盟の松村理事長が出てこられて、
「本日の開場時間は8時30分を予定しておりますが、寒い、早く中に入りたい、ワクワクが止まらない、などの理由により10分早めます。今しばらくお待ち下さい!」
とアナウンス。素晴らしい!ありがとうございます!

 

時間になり中に入ると目当ての席を確保。中は暖かく、Tシャツでも大丈夫なほどだ。入口へ戻り大会限定の記念品を買いに行く(実際に走路に使われているシベリア松で出来た木材の切り出しに記念の烙印が押されている)。

 

競技開始時刻までは練習走行の時間で各国の選手が周回を繰り返している。入口でパンフレットも貰ったのだけれど、変更になったプログラムは反映されていないので何をやるのはわからない(IDの無い観客側のエリアには紙に書かれたものでの情報はない)。

スマートフォンで公式サイトで公開されているコミュニケを確認してなんとか把握する。大きく大別すると以下の種目になる模様。

  • 男子ジュニアスプリント
  • 男子エリートスプリント
  • 男子エリートマディソン
  • 女子ジュニアケイリン
  • 女子エリートケイリン
  • 女子エリートオムニアム

スプリントはトーナメントとなるためレース数も多いが短時間で終わるので、スプリントの合間にケイリンやオムニアムのポイントレースやマディソンを挟む感じで進行するようだ。

昨年、全日本選手権オムニアム大会の一部を観戦したけれど、トラック競技はどの席からも全ての走路が見渡せるため、競技を間断なく観戦できるのがいい。特に伊豆ベロドロームは屋内競技上だから観戦とは書いてもロードレースとはまた別の、歌舞伎や演芸などを観に行く感覚に近いように個人的には感じている。 

 

ホームストレート側のエプロンの近くなので、選手がホルダーに支えられて走路に出てくるところから楽しめる。

 

男子ジュニアスプリント、1/4決勝の中島詩音選手と伊藤歩登選手。

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スプリントは1対1で短時間の間に駆け引きを経て、一番でフィニッシュラインを通過すれば勝ちという最もシンプルな種目。わかりやすい分興奮できると思う。

 

そして大型ディスプレイにそれぞれの種目の開始前に案内が出るが、文字が小さく読みずらい。しばらくすると場内のカメラの映像に切り替わってしまうため、誰が走っているのかが時々わからなくなる。

アナウンスもあるのだけれどほとんど聞き取れない。P.A.の位置がよくないからだろうと思う。照明と同じ高さから下向きにスピーカーを吊るしているけれど、天井との間にかなりの隙間があるので音が向かってきていないような。

 

女子ジュニアケイリンで今週も細谷夢菜選手を応援。

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見事1位で予選通過。来場者も増えてきていて大きな拍手が起こる。

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競技はどんどん進行していく。走路がクリアになればすぐに次の種目の準備が始まる。

 

中にはやや複雑な種目もある。今回観た中ではポイントレースとマディソン。

オムニアムのポイントレースは総合順位を決めることもあり、ポイントが付く周回までの展開と何でポイントを獲るかの選択で駆け引きがあるので目が離せない。今回は25キロメートルだから100周回重ねることになる。

スタートはフライングスタートで最初は走路の内側と外側に選手が並ぶ。一番前の席にいると目の前に選手が並ぶことになる。上段の席のほうが全体を見渡せやすいけれど、この選手が間近に来る感覚のほうが実は好きだったりもする。

今回の間近で見る選手はカザフスタンのNadezhda Geneleva選手。

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お昼近くになりほぼ全席が埋まって立ち見が出るほど。素晴らしい。

地元の方は入場無料になったようだけれど、じゃあタダだったら行ってみようか、とは単純にならない気がする。興味があるから足を運んでいるのだと思う(東京オリンピックがどのようになるか全くわからないけれど、観客席を増やしても全て埋まりそうな気がした)。

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ポイントレースはポイントのある周回のスプリントのあと選手が走路に広がっていくところの動きが好きだ。

 

日本ナショナルチームは塚越さくら選手が出走。すぐそばに鹿屋体育大学のファンの方がいるので「さくらー!」と声援が飛ぶ。そしてポイントを獲れば皆で大きな拍手をして盛り上がる。

上手くポイントを重ねて総合で3位に入った。

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オムニアムの中のポイントレースは総合順位に影響するので逆転を狙ってくる走りがあるので観ていて盛り上がる。

 

そしてまたスプリント。男子エリートの中でひたすら魅力的な走りをする選手がいる。マレーシアのMohd Azizulhasni Awan選手。

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彼は必ずフェンス側を走り観客にアピールする。目の前で駆け引きをされたらそれだけで展開から目を離せなくなる。この1/2決勝では韓国のIm Chaebin選手のほうが強かったけれど、ほぼ全てのレースで必ずフェンス間際までくるAwan選手は圧倒的に魅力度が高く、その後の競技でも彼が走ると開場全体が湧くほどである。

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女子エリートケイリン。自分の座っている少し後ろ側の席は日本ナショナルチームのジュニア選手が何名かいる模様で声援が聞こえてくる。

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女子エリートケイリン前田佳代乃選手が出てくると、後ろのほうから「ま・え・だ!ま・え・だ!」と大きなコールが。松村理事長が席までいらしていていっしょに盛り上げてくれている。

 

午前のレースだけでお腹いっぱいな感じである。休憩時間もそこそこに午後の競技が始まる。

きょう一番の目的の男子エリートマディソン。今までインターネット上の動画のみでの観戦であったけれど、いよいよ生で観られる。 100周回を各チームが二人で交代しながら競う。

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日本は原田裕成選手と新村穣選手。

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7チームで14名の選手が走路にいて、選手が入れ替わり走路の途中にも選手がいるからいきなり見ると何がなんだかな状況になってくるけれど、ラップ・カウンターを勤めるコミセールのうち二人が常に先頭を指で追っているのでそこを観ていれば先頭だけは把握できる。

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各チームがタイミングを合わせてタッグを組み交代していく。

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日曜日に伊豆大島の男子エリートロードレースで優勝したCheung King Lok選手が今日はLeung Chun Wing選手とペアを組んで上手く先頭で周回を重ねている。

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 最後は韓国と香港によるスプリント。

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Cheung選手がガッツポーズをして香港チームが優勝!

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 …だったのだけれど、しかし。判定の結果、僅差で韓国が先着していて韓国が優勝でした。無茶苦茶嬉しそうだったのだけれど、残念。

 

そして韓国が強い。

男子ジュニアスプリントはJeong Yunhyeok選手とKim Chengsu選手が1位2位決勝を走りJeong選手が優勝を決めた。

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そして男子エリートスプリントも優勝は韓国のIm Chaebin選手。2位は中国のXu Chao選手。

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案外話題にはなっていないけれど、今のアジアの自転車競技を統括しているのは韓国だ。アジア大陸自転車競技連合の本部は韓国にある。会長のCho Hee Wook氏はUCI副会長の経験もある。

韓国では近年、スイスのUCI World Cycling Centreで選手の強化も行っている話も耳にする。

 

最後の種目は男子エリートスプリント3位4位決定戦。再びAwan選手の登場。中国のBao Saifei選手との対戦。Awan選手が仕掛けた瞬間に場内から再び大きな歓声が!

先行したAwan選手が勝った。大きな拍手が沸き起こる。

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そしてAwan選手が魅力的なのはのは戦った相手に必ず敬意を表すところだ。

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さらにもう一周して観客とハイタッチ。この写真を撮ったあと、すぐに手を差し出したら見事にハイタッチしてもらえた。思い出がまたひとつできてとても嬉しい。

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最終日なのでトラック内のフィールドではどんどんと機材の梱包が始まっている。カザフスタンの選手は先に梱包が終わって時間が出来たようなので、テニスボールのようなものを皆で蹴って遊んでいる。少し間があり、表彰式へ。全ての競技が終了した。

 

表彰式を眺めながら、先週に引き続き今週もお会いした観戦仲間の方にごあいさつをして開場を後にした。

これでアジア自転車競技選手権大会は全て終わり。外には各国の選手団を成田空港まで送迎するバスと機材を運ぶ大型トラックが数台待っている。終わる寂しさではなくたくさんのものを2週間かけてじっくりと観た中で得たものへの感謝のほうが上回っていて、満足げに心の中で手を振った。

駅までの帰り道はシャトルバスでのんびりと。修善寺駅で後からきた家族と待ち合わせて修善寺温泉で一泊して、ゆっくりしてから翌日帰路についた。

 

この日観た全ては書ききれなかったけれども、特に印象に残った部分を中心に書いてみました。そしてまたベロドロームに観戦に行きたくなったのでした。

長々となりましたがお読みいただきありがとうございました。