トラックの世界選手権大会を観戦しに香港に行ってきました。そんな話を書いています。
4月16日、昼。
将軍澳は飽きたのでまた坑口へ。晴れてきて日差しが強くなり、それに蒸し暑い。
しかし見事にお昼どきでどこも混み始めている雰囲気も感じつつ、それにそろそろこちらの食事に飽きてきている感じもあるので、結局TKO Gatewayの麥當勞(マクドナルド)へ。
隣の吉野家は日曜日のお昼ということもあって列もできているけれど、マクドナルドは空いていました。そのあとしばらく坑口駅の周辺を散策。このあとSession 10を観たら帰国かあ、という寂しさみたいなものよりも、久しぶりに完全に世の中から隔離されている一瞬の自由さみたいなのが心地いい感じ。
あと働き盛りの人中心の住宅街、ということも危険を感じるような場所ではなかったです。
歩いているうちに坑口文曲里公園という、ちょっとした庭園のような公園へ。インドネシア系の女性の方がたくさんいて、昼から地べたに座っておしゃべりをしたりスマートフォンでビデオ通話をしていました。いわゆるメイドで出稼ぎに来られている方たちのようでした(そういえば将軍澳のホテルの裏の公園はフィリピン系の方が多かったような)。
かなり時間があったので單車館の横のベンチで時間をつぶしてから入場しました。
Session 10
入場するとちょうど上野みなみ選手がポイントレースに向けて試走をしていました。
そして、客席の通路に並ぶたくさんの太鼓。入場する際にでんでん太鼓をいただいたのですが、これから演奏するので合わせて叩いてね、ということのようでした。
Session 10のみ、オープニングの参加国の紹介は太鼓の演奏に合わせて行われました。
日曜の午後、大会もこれで最後なので俄然気持ちも盛り上がるというものです。
女子ケイリン(2回戦)
まずはスピード感のある競技、ケイリンから。
フィーチュアしたいのはナショナル・ジャージに合わせたネイルのベルギーのNicky Degrendele選手。
第1ヒートからはVogel選手、Bayona選手、Degrendele選手が、第2ヒートからはMorton選手、Braspennincx選手、Krupeckaite選手がそれぞれ決勝へ駒を進めました。
250mバンク特有の密度感が力強くていいです。
Women's Keirin Second Round Results
女子ポイント・レース25km
間近には来ませんでしたが、オランダのKirsten Wild選手。
イタリアのGiorgia Bronzini選手。
香港の楊倩玉(Yang Qianyu)選手と日本でもお馴染みの黄金宝コーチ。
日本からは上野みなみ選手が参加。
2回目のポイントはBrozini選手(Wiggle High5)・Wild選手(Cylance Pro Cycling)・Cure選手(Wiggle High5)・Delzenne選手(Lotto Soudal Ladies)らによる女子ロードレース好きな人向けの対決でした。
そしてこの二人、Barker選手とHammer選手の動きが強力でした。
大型ディスプレイのポイント表示までの反応がいまひとつだったのは、選手的にも辛かったのでは。
上野選手は途中バック側で接触して落車するも挽回しようとアメリカのSarah Hammer選手とラップを試みていました(落車のダメージが大きかったようで残念です)。
優勝はラップ2回と満遍なく先頭通過で大量得点を決めたイギリスのElinor Barker選手。
Women's Points Race Final Results
男子1kmタイムトライアル(決勝)
出走順では最後ですが、短期登録制度で日本の競輪も走るFrançois Pervis選手の予選のタイムがよかったので期待しながら観戦しました。
スタート前に集中するPervis選手。
そして常に1番時計を刻みながらフィニッシュへ。
そして最後まで全く乱れることなく見事優勝!
Dmitriev選手同様、今年の来日が待たれます。
Men's 1Km Time Trial Finale Results and Final Classification
女子ケイリン(7位〜12位決定戦)
7位〜12位決定戦はペーサー離脱後、韓国の이혜진(Lee Hyejin)選手が先行するもオランダのLaurine Van Riessen選手と李選手が飛び出し、Van Riessen選手が最後まで逃げ切りに成功し7位となりました。
女子ケイリン(決勝)
本命・Vogel選手のサドル下にはオンボードカメラが。テレビ中継に対応できるように独自開発のものを使用しているようです。
こちらはレンズ穴が見えないので重量を揃えるために付加されたモックでしょうか。取り付け用のバンドとフレームの成形が合わないのでビニールテープで補強されているようです。
レースはDegrendele選手を先頭にVogel選手はすでに二番手に。ペーサーの離脱後にVogel選手が先頭を維持し最後まで踏み切って優勝。
ドイツ国旗を渡されウィニングランをしながら喜びをあらわにするVogel選手。
UCIのアスリート委員会の投票で委員に選出されたニュースやスプリントと合わせて二回も優勝するところを観てすっかりファンになりました。
Women's Keirin Results and Final Classification
男子マディソン50km
そして最後は男子マディソン50kmは200周回。
最後の間近で観る選手はオーストラリアのCallum Scotson選手。
そしてイタリアのSimone Consonni選手。
香港ではフライングスタートでフェンス側に選手が来るというのはサービスとしてそばに来ているように受け止めれているのか、スタート間際でもセルフィーのお願いをしている人がいて面白かったです。ポーランドのDaniel Staniszewski選手はそんな突然のセルフィーの依頼にいやな顔をせず快く応じていました。
レースはベテラン、オーストラリアのCameron Meyer選手とScotson選手のペアが50周回まで着実にポイントを獲得。そして50周回を終えたところからベルギーのKenny De Ketele選手・Moreno De Pauw選手のペアは強力なハンド・スリングでラップを試みようと展開。それに続くのはフランスのBenjamin Thomas選手とMorgan Kneisky選手のペア。
前に生でマディソンを観たのは昨年のアジア選手権だったのですが、その時よりも遥かに速いスピードでこれは面白い!と思ってやや前のめりで観戦していたのですが、客席の多くの方が黙りこんでしまっているような重い空気を感じました。
香港の梁峻榮(Leung Chun Wing)選手と梁嘉儒(Leung Ka Yu)選手のペアが交代のタイミングを逃し順位を下げ始めたことと、どうやらマディソンを初めて観戦した方々が多く、先頭を見逃してしまっているようでした。
特に私の座っている左側の1ブロックの方々は服に"HTK Premium"というシールを貼っており、大会スポンサーでもあるHKT 香港電訊(香港テレコム)の招待だったようで、もしかしたらトラック競技そのものも初めてのような雰囲気も感じられ途中で完全に退屈しきっていました。
初めて観戦するのであればまずは先頭を追っておく、というのは大事な気がしました。
レースは常に前へと展開。130周回を終え、ベルギー組のスタミナが途切れたところからオーストラリア・ペアとフランス・ペアが巻き返しを開始。
その後アイルランドのMark Downey選手・Felix English選手がのペアが最後の力をふりしぼるように180周目を先頭で通過。
最終的に満遍なくポイントを獲得したフランスが優勝。
そして表彰式。
これで全ての日程が終了。
少し日本からは離れているけれど、日曜日の午後は熱く過ぎ去りました。着いて最初のSession 5を観た時にも感じましたが改めて「とにかく、来てよかった」と強く思いました。
会場を後にし、ごいっしょできた皆さまとお互いにその場をいっしょにしたお礼と観戦の労をねぎらい、荷物を引き取りひとり来た時と同じE22A路線のバスに乗って香港国際空港へ。
日が傾きつつある中、高速道路から見えた香港の中心部の街並みに心の中でお別れを。
空港に着き夕食を済ませ、香港エクスプレスのカウンターでチェックインをお願いするとオーバーブッキングなので明日にできないかと相談(もちろん強くお断りしましたが)。出発ゲートも未定のチケットを受け取り、出国審査も済ませ、あとはゲートが決まるのを待つばかり。
その間に妻へのお土産を物色したり、残った小銭を使ってみたり。空港でアサヒ・スーパードライの生を提供しているお店が数件ありましたが驚きの69HKD(1,000円強ぐらいとかなり高め)でした。
オクトパス・カードはまた使うと思うのでそのままでよいかな。
待つことしばし、出発ゲートも決まり無事に搭乗。日付をまたぐように深夜便のUO624便で翌朝羽田空港へ到着。月曜日ということで着替えてその足で出社しました。
そんな三日間でした。
長々と書き綴りながら自分でもいろんなことを追体験できてとても楽しかったです。また、毎日読んでいただいた皆さまやそれとなく目について読んでいただいた皆さまに感謝いたします。
ありがとうございました。