CATEYEケイデンスセンサの正体

阿久津君よりモーレツに面白いメールを戴いたのでまんま転載します。

Giro自転車仲間のみなさん
アクティーこと、阿久津です。
今日は会社がお休みだったので、以前から故障していたケイデンスメータのケーブル交換を行いました。交換を行ったときに、面白い発見があったので、その驚きを共感していただきたくメールしました。特別な用件ではありません。
ご存知の通り、ケイデンスメータは車輪とクランクに付いたマグネットがマグネットセンサに近づいたときに、メータがカウントを行う構造になっています。マグネットセンサといえば、コイルと磁石で電磁誘導を起こして、起電力を得るときに電流が流れるという仕組みを思い浮かべるのが通常ですが、このセンサの機構はもっとシンプルでした!
添付の写真(sensor03.jpg)がセンサをむき出しにした状態です。小さな基板にガラスに納まった2枚の金属板が見えます。これは実はセンサというよりもスイッチです。2枚の板の間には100μm級(と思われる)の小さな隙間があり、通常時は接触していません。しかし磁石を近づけると、この板が動いて接触するようになっています。テスタを当てて簡単に実験したところ、スイッチ動作していることを確認しました!!こんなスイッチがあったなんてオドロキ!!よく耳をすましてセンサを磁石に近づけると、カチッという金属がはじける音がするからさらにオドロキ!!!
もう少し詳しいことを。もう1枚の添付の写真にありますとおり、CATEYE Astrale 8のメータ台には3つの端子があります。これらに対してもテスタを当ててみたところ、
右上=ホイール系・クランク系共通グラウンドレベル(0V、シールド線)
左下=ホイール回転カウンタ(3V、白線)
右下=クランク回転カウンタ(3V、赤線)
となっていました。メータ本体は電池で3Vの電圧をホイール系(スピードメータ)とクランク系(ケイデンスメータ)に常にかけています。実験ではセンサがマグネットに近づいてスイッチがオンになったときに、カウントを行っていることがわかりました。
今回の故障はホイールの回転はカウントできるが、クランクの回転がカウントできないという症状でした。上の結果にしたがって、メータ台の右下の端子(クランク回転カウンタ)とクランク系のセンサの導通テストを行ったところ、導通しておらず、断線していることが確認されました。見た目では切れている部分がないのですが、ビニル被覆されているケーブルのどこかに断線しているところがあるのでしょう。

以上の通り、ケイデンスメータの機構は非常にシンプルにできています。ケーブルの断線はよくあることのようで、K島くんやほかの人からも同じ故障例を聞きました。基本的に簡単にできているので、壊れた部品と自分で集めた材料で修理してみたいところです(K島くんはチャレンジしていた)。断線した部分を補修すればきっと動作させることはできます。しかし修理後に雨やホコリなどに耐えられるようにすることは難しいでしょう。防水性、防塵性、修理後の見た目などを考慮して総合的に判断すれば、1500円というハーネスキットの値段は非常にリーズナブルで、これより良い修理方法はないと思われました。
そんなわけで非常に長くなりましたが、CATEYE ASTRALE 8のセンサの仕組みとケーブル修理についてレポートしました。私も製造業でエンジニアの端くれとして働く身、今日はちょっと真剣にセンサの仕組みについて考えてみました。
阿久津
※Giroの自転車仲間でアドレスを知っている方に無作為に送りました。掲示板には写真が載らないので、その代わりということでご了承を。

#名付けて「スキマスイッチ」なんちてね。