EDEN

エデン

エデン

近藤史恵さんの新刊が出ましたね。
前作「サクリファイス」の続編で、主人公・白石は活動の場をヨーロッパに移し、物語は憧れのツール・ド・フランスを舞台に繰り広げられます。
前作で感じた私見で「ロードレース文学」と勝手に呼ばせてもらってますが、あるときは意思統一され、またあるときは裏切られる人間臭さが今回も随所にあふれています。
昨年、二人の日本人選手がツールを走ったのでとっつきやすいのかもしれませんが、個人的にはツール(というかヨーロッパ)を走れる日本人選手という設定だともっと屈強なイメージがあるように思うのですが、この主人公は意外に気弱で随所に口にはしない気持ちが綴られているのが物語にのめりこみやすくさせているようにも思いました。
自転車ロードレースが好きな方にはめくるめく展開が心地よく、一気に読めると思います。僕は通勤のついでに電車の中で2時間ほどで読み終わりました。
登場する各チームのウェアのデザインとかコース設定とかを創造しながら読むとより楽しめるのではないかと思います。